男性が着るピンクの認知度はあがっているものの、まだピンクに躊躇している人も多いのではないでしょうか。
男性が着るピンクの評判ってどうなんだろう。気持ち悪がられないのか。ダサいのか。女子ウケは大丈夫だろうか……。
今回と次の記事にわたって、男性が着るピンクシャツについて解説します。今回は、「ピンクの女子ウケ」と「ピンクになぜ躊躇するのか」についてです。
「ピンクシャツの着こなし・コーデ」についてはこちらをどうぞ。
ピンクを着る男は女子受けするのか?
まずは、女性から見たピンクを着る男性のイメージについて探りましょう。ちょっとデータが古くて申し訳ないのですがアンケートをチェックしてみます。
「黒」より「ピンク」が好印象! 働く女子に聞いた「男性が着ていると、一番おしゃれに見える色」ランキング|「マイナビウーマン」
【概要】
・対象:22歳-29歳の働く女性
・お洒落に見える色の第1位「ピンク」21.5%、第2位「ブラック」13.0%、第3位「ブルー」12.3%。
ピンクを着る男性はおしゃれに見えるようです。「おしゃれ」は女性にとって、評価の高い概念。女子ウケがよいとして間違いなさそう。
「ピンク色」着る男性はおしゃれ!? | リサーチのrTYPE[アイシェア]
【概要】
・対象:20代から40代男女
・ピンク色の服を着る男性について「とてもいいと思う」「少しいいと思う」を答えた女性は合わせて89.8%。
・印象の種類:「おしゃれ」64.5%「かわいい」13.2%
ピンク色の服を着る男性は、女性から好印象。ここでも「おしゃれ」というキーワードが出てくる。不特定多数の女性から好印象を持たれたいのならピンクのチョイスはあり。ただし、1割は、さほどよいと思わない女性がいることも頭に入れておきたい。
オトコのピンクは賛否両論女子ウケのいい服の色は? | R25
【概要】
・対象:R25、L25読者
・男性が考える女子ウケのいい色1位ピンク31.8%、2位黒20.2%、3位青18.6%。
・女性が考えるNGな男性服の色1位黄色31.3%、2位ピンク30.3%、3位赤18.9%。
・男性が選びがちな色では、ピンクは9色中6位。
※R25のターゲット層は25歳から34歳男性。L25は25歳から34歳のOL等女性。
こちらは男性のピンクは賛否両論だ、という結果に。はたしてピンクは印象がよいのか悪いのか!?
ない知恵をしぼって考えてみるに、男女ともに一定数「男がピンクを着るべきでない」と考える人が存在することと、それからやはり「おしゃれ」もキーになっているのではないかと思います。
おしゃれって実現するには難易度の高い概念ですよね。男性が思うおしゃれと女性が思うおしゃれはズレがちだし。
つまりこんな感じ……??
おしゃれにピンクを着こなす男性→好き!かわいい!
おしゃれじゃなくピンクを着こなす男性→嫌い。キモい。趣味悪い。変。ナルシストっっ!?
ピンクを着る男性が女子ウケよい理由
男性が着るピンクはおおむね女性からのウケがよいとして、では、なぜピンクを着る男性は女性から好感をもたれるのか!?
- 男性としての魅力があるように見える。
- ピンクを取り入れる男性が少ないので、かえっておしゃれに見える。
- 女性のセンスに理解と共感がありそうに見える。
男性としての魅力があるように見える
ピンクを着る男性は次のイメージに受け取られる可能性があると推測します。
- 固定観念(ジェンダー観)にしばられない→他人からのマイナスの評価をあまり気にしない。柔軟でチャレンジング。
- 男性同士の足のひっぱりあいや偏見にひるまない自信や勇気がある。
つまり、女性陣は、男性としての魅力をピンクで推量しているのではないのか!
ピンクシャツ男子は収入が高い??
さらに、女性がピンクシャツ男子に魅力を感じる最大の根拠かもしれないものが。
ピンク色のワイシャツを好んで着る男性は、他色を好む男性より平均して年間約13万円多く稼ぎ、学歴でも修士号や博士号を持つ割合が高い、らしい。
1500人のビジネスマンを対象に職場に着ていくワイシャツについて、全米綿花評議会が調査した結果判明したとのこと。
さらに、ピンク色のワイシャツを好んで着る男性は、自分に自信があり、同僚の女性から褒められることも多いのだそうです。
※全米綿花評議会(NATIONAL COTTON COUNCIL OF AMERICA)…アメリカの綿花産業の振興をはかる団体。
結婚相手としての男性への評価軸に経済力を入れ込む女性は多い、というかほとんどの女性がそうでしょう。
収入の多い男性は女性にとって魅力的に映ります。ピンクシャツ男子に経済力がある(かもしれない)ことを女性は嗅ぎとっているのかもしれません。
ピンクを着る男性が少ないことにより差別化される
「ピンク=女子色」という固定観念がいきわたっている限り、ピンクを着る男性は少数派です。ところで、「おしゃれなものはみんなが取り入れるとおしゃれじゃなくなりむしろダサくなる」という法則があります。
ピンクを着る男性は、少数派ゆえにおしゃれに見えるという可能性もあるのではと思います。
ピンクを着る男性は、女性の価値観を理解し、共感してくれそうに見える
男兄弟だけで育つ男性より姉妹がいる男性の方が、女性のことをわかっていて扱いがうまくモテるみたいな話ありますよね。女性のセンスや習性を理解できる男性は女性にとって貴重。
また、モテたかったら女子ウケする話題をストックすべし、というモテ指南もある。スイーツ、占い、流行スポットにファッション……。センスが似ている人や自分の好きな事柄を理解している人に、人はよい印象をもつもの。
だから、ピンクを身につけることも同じ効果を生むのではないかと思います。共感してくれる人に好感を持つ、という仕組み。
女子色イメージのピンクを身につけることが「ボクはキミたちのことわかってるよ」というサインとなりえる……かも?
実際に女性に共感できるかどうかは別として、「共感してくれそうな男性だ」という印象操作は可能なのではないでしょうか。
男のピンクって気持ち悪い?「ピンク=女子の色」はどこから来た?
男が着るピンクやピンクシャツが女子ウケよいのはわかった。 ですが、男性が着るピンクシャツ、ちまたのイメージはあまり好ましくないものも、あるにはある。
「ピンク=女子色」の経緯を探ってみましょう。
「ピンク=女子の色」はロココから
ピンクは女子の色というイメージが定着したのは、18世紀からだそうです。
18世紀の美術様式と言えば、繊細優美な装飾のロココ様式。ピンク色も好まれてよく使われていました。
Trier Kurfuerstliches Palais BW 1.JPG
ピンクが広まるきっかけになったのがロココ時代に活躍したポンパドール夫人。ファッションリーダー、ポンパドール夫人はポンパドールヘアを始めとして数々の流行を生んでいます。
彼女が大好きだったピンク色もそのひとつ。影響力の大きいポンパドール夫人の存在が「ピンク=女子色」となるきっかけになったそうです。
Pink - Wikipedia, the free encyclopedia
ポンパドゥール夫人はファッションリーダーであるとともに、やり手の政治家だったようですね。
- 成績優秀
- 平民(銀行家の娘)からフランス国王ルイ15世の公妾にのし上がる。
- 政治に関心の薄いルイ15世に代わり政治をとりおこない影の実力者となる。
国王の妾といっても、男性から庇護されるイメージとはまた違うようです。頭脳と美貌でのしあがる強い女性像。……ゆるふわ感ナシ!!
ロココ時代は「女性の時代」とも言われています。女性が流行をひっぱった。女性が元気だった時代です。
女性たちが憧れの人を真似することで流行が生まれるのだとしたら、ポンパドール夫人を真似して取り入れる当時のピンクは、今の時代のゆるふわなイメージのピンクとは違っていたのかもしれません。
世代で受け継がれる「ピンク=女子の色」
18世紀に発生した「ピンク=女子の色」という概念は今でも健在です。それは、世代間でせっせとその概念を受け継いできたからなのではないでしょうか。
ジェンダー(社会的・文化的な性別)を意識した色の好みは、特にピンクにあらわれるそうです。
幼児の色彩選好と親のジェンダー意識|清水隆子・早稲田大学大学院教育学研究科紀要別冊11号-1 2003年9月(PDFファイル)
例えば、ぱっと見性別がわからない赤ん坊。女児にはあえてピンクを、男児には水色を着せて他人に性別をわかってもらおうとする親も多いわけですよね。
また、親の頭のなかはジェンダーフリーだったとしても世間がそれを許さない。女児に水色を着せると「女の子なのにかわいそう」。男児にピンクや花柄を着せると「男の子なのにかわいそう」という意見をまわりから頂戴するものです。
ピンク→同性愛の色?
男性がピンクを着るのに躊躇するのは「ピンク=女子色」というイメージだけではなく、「ピンク=ゲイの色」というイメージがあるからかもしれません。
ピンクシャツデーは、ピンクのポロシャツを着て登校したカナダの中3男子がホモセクシャルだと言いがかりをつけられ、いじめられたことをきっかけとして始まった、いじめ撲滅啓発運動。
では、なぜピンクのポロシャツを着るだけでホモセクシャルだと決めつけられるのか。
ピンク・トライアングルはホロコーストで強制収容された者に装着が義務づけられていた逆三角形の識別胸章バッヂのこと。
もしかすると、被収容者同士の差別も狙ったのかもしれません。被収容者同士で差別・被差別関係を作り出して管理者側が被収容者をコントロールしやすくしたとか……?
このような歴史上の経緯から、現在、ピンク色は性的少数者(LGBT)のプライドや権利のシンボルとして使用されています。
なぜ男性はピンク色の服を着るのを躊躇するのか?
なぜ男性は「ピンク=女子色」という概念があるのか。それは……
- 時代
- 文化
- 生まれ育った環境(固定観念を世代で受け継いできた)
- 政治的な意図etc.
から来る、ということになりそうです。「ピンク=女子色」「ピンク=ゲイの色」という固定観念がピンクから男性を遠ざける。
ただ、女性がピンク色を好むのは……
- 熟した果実の色だから(男は狩猟、女は育児・果実採集という役割分担の名残)
- 赤ん坊の肌の色だから
- 子どもが熱っぽいときの肌色(病気を早く発見するため)だから
などという説もあるようですが。とはいえ、いつかポンパドール夫人のように影響力のあるピンク大好き男性が「ピンク=男の色」に塗りかえる可能性はなきにしもあらずです。
だから、今、我々が単に「ピンク=女子の色」な概念の時代に生きているだけなのかもかもしれません。
まとめ
- 「ピンク=女子の色」は、ほぼ固定観念なのでは
- ピンクを着る男性の女子ウケはよい(ただしおしゃれに着てこそ)
- ピンクを着ることで魅力(経済力、共感力etc.)があるように見える
「お前ゲイかよ」
ピンクを着ることで、ピンクシャツデーの中3男子のように仲間から中傷されることがあるかもしれない。
ピンクはジェンダーにしばられがちな色ですが、女性からの印象はよい色でもある。
つまり、男性にとってのピンクとは、取り入れてはいけないはっきりとした根拠がない割には取り入れる人が少なく、でも女性からのウケがいいお得な色なのです。
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