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【裏地チェックチノパン問題】折り返しの裏地柄はなぜダサい?



スーパーで食料品を買った母ちゃんが、ついでに衣料品のフロアに寄って息子の洋服をみつくろう。

母ちゃんの目に入るは、裏地チェック柄チノパン!

「あらこれ息子にちょうどいいかもね。この派手過ぎない地味過ぎない裏地チェックもちょっとおしゃれ♪」

かくしてファッションに無頓着な息子のもとに裏地チェックチノパンが行きつく。

学生のダサいファッションの代表格に躍り出て久しい裏地チェックチノパン。裏地チェックチノパンだけでなく裏地が水玉、ストライプなどのちょっとしたモチーフ柄もいけないとされているようです。

なぜ裏地柄チノパンはダサいとされるのでしょうか。

男は柄モノが好き?

まずは、男性が柄に頼る心理を探ろうかと思います。

anond.hatelabo.jp
以前見かけたこの記事が参考になるので、ブックマークコメントやトラックバックの意見から抜粋して考えます。集合知。

柄のメリット
・お洒落してる感が出る。
・差別化を図れる。目立てる。
・同じ値段なら柄がある方が得な気がする。
・汚れやホコリが目立たない。
・安価ゆえの素材・縫製の悪さをごまかせる。

無地のデメリット
・素材感やシルエットのよしあしがダイレクトに出る。
・ブサイクが無地を着るのは厳しい。

“男性が”柄に偏る理由
・女性と比べてデザインに多様性がない。
・利用できるアクセサリーの種類に限りがある。


私は「売り場で柄アイテムが目につくから」に1票!ぼ~っとしていると、いつのまにか柄アイテムを手に持っているんですよね。

理由を大別すると、「コスパや機能性」の観点と「自分のセンスにイマイチ自信を持てない」ことなのでは。素材の安っぽさを柄でごまかすのは、安い素材に濃い味付けでごまかす料理のような、庶民の知恵みたいなものでしょうか?

柄があるとなんだかおしゃれっぽいし、同じ金をだすなら無地ではなんか損したような気がする。

確かにひとつのアイテム単体では、柄モノはメリットが多いのかもしれません。でもファッションはコーディネートで考えなくてはならないし、一日分の組み合わせがあればそれでOKというわけでもない。

限りある原資で服を買うなら、柄モノを買うより着回しのきく無地を選んだほうがコスパはよいと思います。

なぜファッション苦手さんは、ちょっとしたモチーフに頼ろうとするのか

裏地柄チノパン問題について言えるのは、柄自体がダメなわけではないということ。やり玉に挙がっているのは全体がチェック柄のチノパンではない、「折り返しの裾の柄」とされています。

ファッションについてはよくわからない。そうはいってもダサいと思われるのはイヤ。ちょっとくらいおしゃれに思われたい、カッコいいと思われたい。でもキレッキレのおしゃれアイテムにいくのはなんだか恥ずかしい。

じゃあ、着なれたアイテムのちょっとしたモチーフでちょっとしたおしゃれ感を狙おう!

そんな気持ちで裏地チェックチノパンを選ぶ。でも結果、ダサい学生ファッションの代表みたいに扱われる矛盾。

ちょっとおしゃれしようとしただけなのに、カッコいいと思われたいだけなのに……。ファッションの神様はきまぐれ!オシャレに思われたいという気持ちをあっさり裏切る。

人は5つの動機から流行を採用するそうです。

流行採用の動機(鈴木裕久による)

自己の価値を高く見せようという動機
集団や社会に適応しようという動機
新奇なものを求める動機
個性化と自己実現の動機
自己防衛の動機
流行 - Wikipedia


裏地チェック柄チノパンを採用する動機はこんな感じ?

おしゃれだと思われたい。柄だとおしゃれっぽい→自己の価値を高くみせようとする動機
履きなれたチノパン、それも全体が柄でないチノパンを選ぼう→集団や社会に適応しようという動機
無地より柄がよい→新奇なものを求める動機
周りよりオシャレな自分の演出。柄で差別化できるはず→個性化と自己実現の動機
ダサいと思われたくない→自己防衛の動機

これは、チェックのネルシャツに頼る心理とだいたい同じなのではないか……?

みんな一緒だとダサくなる?

裏地チェックチノパンに罪はありません。ただ、ファッション上手ではない属性を持つ集団がこぞって同じようなモンを着ると「ダサいと言われる問題」が発生する。

オバサマがたがチュニック×レギンスを着まくったから「チュニック×レギンスはダサい」という流れをつくってしまったように。

同じような属性の人は同じようなコンプレックス、同じような思考回路を持ちがちです。同じコンプレックスを同じやり方で解決しようとする。

「だらしない体のラインをさらしたくない。でも細く見られたい。むちゃくちゃ派手なのはイヤだけど、ちょっとはおしゃれっぽく女性らしく見られたい」

体のラインをさらしたくない→チュニック
細見えしたい→スパッツ。黒色
派手なのはイヤ→黒地
ちょっとはおしゃれに女性らしく→花柄

「休日のパパファッション、なんでダメなの?」休日のお父さんの服装について考察 - 25着でオールシーズン着まわすメンズファッション

2015 おばさんファッション.jpg

おしゃれには、気持ちよく期待が裏切られるという要素も必要で。

ただ、チュニックも裏地柄チノパンもチェックのネルシャツも(みんな柄モノ!)コンプレックスとメリットがからみあうアイテムは脱却するのが難しくて。ダサいとされていてもなかなか頭が切り替わらないのですよね。

ダサいとされていても、慣れ親しんだ方法を採用する方が直近の痛みを感じないで済むから。コンプレックスは向き合わないと克服できない(自然に解消できることもあるけど)が、コンプレックスと向き合うことは痛みを伴う。

まとめ:なぜ裏地に柄があるチノパンがダサいと言われるのか

・裏地チェックチノパンの安物率が高く、「裏地チェックチノパン=粗悪品」というイメージがついてしまった。

・ダサいとされている属性の人が裏地チェックチノパンを履きがちなことで、「裏地チェックチノパン=ダサい人が履くもの」→「裏地チェックチノパンはダサい」ということになってしまった。


誰かから「ダサい」と言われたとして、その「お前ダサい宣告」は以下のような意味を持っていると思います。

「お前は俺たちとセンスを共有していない。かつ、お前にいちいち言葉で説明したくもない」

『ダサい』は克服できるのか?ダサいという言葉を検証してダサいを乗り越える - 25着でオールシーズン着まわすメンズファッション

裏地チェックチノパンはダサいかダサくないかを考えるなら「ダサいとは何か」にもふみこまないといけませんよね。っていうか「ダサい」ってなんなんでしょうね……。