読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

中二病なモモねーさん?『妹たちへの贈り物/光野桃』

Gift to someone special

 

「自我とファッション」のくくりからの本の紹介、二冊目です。 この本は、ファッションをテーマに、中二病~女性バージョン~を語る本?かも。
 
「妹たちへ」と銘打ってあるように、女性向けの本なのですが、 著者が伝えたいことは充分男性にも共感できるものと思います。
 ====
 

常に焦りまくるモモねーさん

著者は、元『25ans』のエディターで、ファッションジャーナリスト、エッセイストである光野桃。 彼女は、おしゃれの中枢と言えるキャリアを持ちながらも、若かりし頃はファッションについて迷いに迷っています。 ホント面白いくらいに迷います。
 
その迷いは結局は「自分とは何者か」に大きくかかわることなのです。 若いころの著者は、ファッションについて「このままではダメだ」と常に焦りまくっています。
 
おしゃれの中枢で活躍するようになる人でも若かりし頃「自分はダサいかも…」と迷うわけですから、 おしゃれの辺縁、いや、圏外にいる我々が「ファッションわからん」「自分はダサいかも」とビビるのは当然のことなのですよね……。
 
本の中で、モモねーさんは、何度かブレイクスルーを迎えます。 だいたい、「自分はこういう人間である」という気づきがモモねーさんの悩みを払拭するようです。
 
つまり、自分のことを正確に認識することがファッションの悩みを解決するヒントになりそうだと言えるのではないかと。
 

ブレイクスルーを迎えるモモねーさん 

本の中での著者の一番のブレイクスルーは、「外発反応」という心理学用語との出会いです。 
外発反応-それは周囲の状況によって自分の行動が影響を受け、左右されるということだと書いてあった。外発反応が高い人というのは、外からの様々な働きかけに対して敏感に反応する人だという。
一着の服を見たとき、「一着の服である」と認識するのが外発反応の少ない人、 「この服を着たい」「誰がこの服を着るのだろう」と感じるのが外発反応の高い人とのことです。
 
著者は自分が外発反応が高いタイプであると感じ、外発反応が高いという敏感さがあるゆえおしゃれが磨かれ、進歩し成長するのだと気づくのです。モモねーさんは自分自身をみつけた!
 
個人的には、この本のクライマックスはこの部分だと思っています。 人によっては、この外発反応にまつわる著者のブレイクスルーを読んで、 ブレイクスルーを迎えるのではないかな……?
 

中二病なモモねーさん 

高校から大学ぐらいにかけての頃、よくベッドからガバリと跳ね起きることがあった。朝、~略~ とにかくハッと目が覚める。すると次の瞬間「今のままじゃだめだ」と言う声が頭の中に聞こえてくる。そうだ、だめなんだ、私って何てだめなんだろう、変わりたい、何とかしたい、何とかしなくちゃ
あの頃、私は今よりずっと自分が嫌いだった。何とか違う自分になりたいともがき苦しんでいた。しかし今思い返してみると、小さな殻の中で自家中毒的に堂々めぐりをしていただけのような気がする。つまり自分が嫌いと言いながら、その実、自分のことしか考えていなかったのだ。
 
読んでるこちらも身につまされる。こんな内容のコラムが『nonno』で掲載されていたなんてなんだか不思議です。
 

女性の著者ですが、中二病がごとく現実と理想のはざまで七転八倒する様子は親近感がわくと思います。

 

とともに、おしゃれエディターだった著者が「これじゃだめだ!こんなワタシじゃだめだ!」と自己否定して自我とファッションの間で苦しむ姿にホっとするのではないでしょうか。みな同じなのです。あなたのそばにいるおしゃれな友人も同じ思いを経て今がある。

 
ちなみに、こんなくだりもあります。
 
田園調布のお嬢さん育ちの彼女は私より少しだけ流行に疎かった。どこか野暮ったいところがあった。そこが上品で心休まる彼女のキャラクターのよいところでもあった。共通のおしゃれ話ができるうえに、その相手をわずかばかりリードする関係、それが何ともいえず心地よいということに、私はすでに気づいていたのである。
 
当時は”女子カースト”も”マウンティング”という言葉もなかったはずなのですが。
 
今回抜粋した部分以外にも言及したい部分がこの本にはてんこもりです。 モモねーさんの観察眼はビシバシと光りまくるのであります!
 
余計なとこまで抜粋して、この本について言いたいことが、なにがなんだかわからなくなってきました。
 
というわけで。 自分はダサいのではと悩むのは皆一緒だし、それでいいのだよ ということがこの本の主旨のように思います。 ファッションについての肩の力を抜いてくれる本です。以上。
 

  妹たちへの贈り物

 

 

 

 

『妹たちへの贈り物』はどうも絶版になっているようで。 いい本なんだけどなぁ。